私の投資哲学:人間万事塞翁が馬

【読み】 にんげんばんじさいおうがうま
【意味】 人間万事塞翁が馬とは、人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。
参照元故事ことわざ時点-人間万事塞翁が馬

これは私が10年前に見た、当時の2020年南アフリカワールドカップ(以下、南アW杯)、日本代表の岡田監督のインタビュー記事で座右の銘と紹介されていた言葉です。
私はサッカーに明るくないし、見るのは4年に一度のワールドカップくらいなんですが、今でもこの言葉は妙に脳にこびりつき離れません。

当時を簡単に紐解くと、当時の日本代表の人気を牽引してきた中田英寿が引退するなど、素人からみて漠然とした「日本サッカーの黄金期は終わった」感を感じていました。
そんな中オシム監督が2010年の南アW杯を目指して日本代表監督に就任しますが、2008年に病気で退任、急遽岡田監督が抜擢されます。
が、2年間の練習を経たにも関わらず、本大会直前の試合でパスが繋がらないなど精細を欠いたプレイが見られ、またそういった経緯での監督就任ともあり世論からは総バッシングされました。
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そんな折にふと、ヤフートップにある意味開き直ったような岡田監督の長編インタビューが掲載されます。その中で岡田監督の座右の銘として紹介されていたのが「人間万事塞翁が馬」です。

さて、南アW杯の結果はどうだったか?まずは本大会グループリーグ。オランダやカメルーンデンマークといった強豪グループに分類された日本は、全敗して敗退するという予想を覆してなんとグループリーグ2位の座を獲得、決勝トーナメントに進みます。
決勝トーナメントでは再び超強豪のオランダ(準優勝)に破れてベスト16で敗退しましたが、岡田監督はまさに人間万事塞翁が馬を体現してみせました。また、この瞬間に岡田監督の評判がひっくり返った事も、この言葉とともに強烈に印象付けられました。

さて、この言葉の由来について、もう少し紹介させて下さい。

昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む占いの巧みな老人(塞翁)の馬が、胡の地方に逃げ、人々が気の毒がると、老人は「そのうちに福が来る」と言った。
やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきた。人々が祝うと、今度は「これは不幸の元になるだろう」と言った。すると胡の馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまった。人々がそれを見舞うと、老人は「これが幸福の基になるだろう」と言った。一年後、胡軍が攻め込んできて戦争となり若者たちはほとんどが戦死した。しかし足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだという故事に基づく。
参照元故事ことわざ時点-人間万事塞翁が馬

当時私は25歳を回っていて、契約社員としてその契約期間を4月に終えようとしていました。仕事に喜びを見いだせず、その鬱屈とした気持ちが、岡田監督が発したこの座右の銘である種の癒しを感じました。
それでもこのときは「こん言葉があるんだな」位の印象でしたが、その後10年間、妙に脳にこびり付き、特に意識していないのにふとあるごとに思い出します。
特に最近は、ブログタイトルにもある通り3年前から長期投資、資産運用をしているのですが、2018年に当時のなけなしのお金80万でアリババとNVIDIAの株を購入、その瞬間に歴史的な大暴落を経験しました。そんなときにもふとこの言葉を思い出しました。その結果、「いきなりこんな暴落を経験できるなんてかえって幸運」と本気で思うことができました。私は今でもそういうスタンスで投資に向かっています。

このブログを見てくださっている読者の方には、コロナ禍の波にうまく乗っかれて今気持ちが盛り上がっている方もいるかも知れません。ただ、今後市場にとんでもない波が押し寄せる可能性は十分にありえます。そんな時に、ふとこの言葉を思い出してくれると嬉しいです。

まとめ

  • 株価の値動きに一喜一憂しない。
  • 結果を出せば人の評判は一瞬で変わる。